「非常食を備えたいけど、うちの子どもはアレルギーがあるから不安…」
子育てをする中でよくそんな声を耳にします。災害時、普段と違う環境になると、ただでさえ心細いのに、食べられるものがない…なんて考えるだけで心配になりますよね。
特に避難所や支援物資は、みんなに平等に…という考えはあっても、アレルギー対応まで十分とは言えません。だからこそ、日ごろから家族に合わせた非常食をしっかり準備しておくことが大切です。
今回は、食物アレルギーがあるお子さん向けの非常食選びのポイントや実例、私が実際に調べてよかった情報をまとめてご紹介します。
アレルギー対応非常食がなぜ必要?

災害が起きたとき、食べ物の確保はとても大切。でも、アレルギーがあると「支援物資の食べ物が食べられなかった」「避難所で食べるものがなくて困った」という声も少なくありません。
実際、過去の災害では…
・アレルギー表示のない支援物資が届いた
・避難所に対応食がなく、持参した人だけが安心できた
・乳児用ミルクやアレルギー用のお菓子が不足した
というケースがありました。特にこどもは体が小さく、食べられるものがないとすぐに体調を崩してしまう心配も。
だからこそ、「わが家の備え」として、アレルギー対応非常食を準備しておくことが家族を守る第一歩になります。
こどものアレルギー別|非常食の選び方

こどものアレルギーは一人ひとり違います。非常食を準備するときは、普段の食生活や症状に合わせて、しっかり確認しておきましょう。
乳・卵アレルギーの場合
乳や卵はパンやお菓子、レトルト食品に多く含まれているので要注意です。
✔ 原材料表示を細かく確認する
✔「乳・卵不使用」や「アレルギー対応」と記載された商品を選ぶ
✔ 調理不要でそのまま食べられるレトルトご飯やパウチ食品がおすすめ
✔ おやつも、乳・卵を含まないものを用意(米粉クッキーや寒天ゼリーなど)
小麦アレルギーの場合
小麦はパンや麺類、お菓子に多く含まれるため、主食の工夫がポイントです。
✔ アルファ米やおかゆ、レトルトご飯を中心に備える
✔ グルテンフリーのパンやクッキーもチェック(最近は種類も増えています)
✔ 普段から慣れ親しんだ味の商品を非常食にも取り入れる
ナッツ・そばアレルギーの場合
ナッツやそばは意外な食品にも含まれていることがあるため、注意が必要です。
✔ コンタミネーション(製造過程で混入)の有無をしっかり確認
✔ ナッツ・そば不使用の専用商品を選ぶ
✔ 個包装で衛生的に保管できるおやつや主食を備える
魚介アレルギーの場合
魚のだしや加工食品に魚介類が含まれる場合があります。
✔ 原材料表示で魚介エキスや魚粉の有無を確認
✔ 魚介を使わないレトルトやスープを選ぶ
✔ 普段の食事で安全なものを非常食にも採用する
大豆アレルギーの場合
大豆はしょうゆや加工食品、スナック類に含まれていることが多いです。
✔ しょうゆ不使用の商品を選ぶ(大豆不使用の代替調味料を使用した非常食も増えています)
✔ 大豆不使用のレトルト食品やおやつを準備
✔ 普段から大豆を避けた食生活をしている場合は、同じメーカーの商品を備えると安心
その他のアレルギー(特定の果物、特定の食品添加物など)の場合
✔ 必ず、原材料表示を一つずつ丁寧に確認する
✔ 自宅で安全とわかっている商品を中心にローリングストックする
✔ 不安な場合は、専門医や栄養士に相談してから商品選びをする
非常食だからといって、特別なものばかりをそろえる必要はありません。
「普段から安心して食べているもの」「すでに体が慣れているもの」を、少し多めにストックしておくことが、一番の安心です。
また、非常食は賞味期限が長い分、普段あまり食べる機会がない場合もあります。
そのため、災害時に「食べたことがないもの」をいきなり食べるのは、こどもにとっても不安なもの。
ぜひ、日常の中で試食をしながら、家族に合った非常食を選んでみてください。
実際に備えている家庭の声と工夫

「アレルギー対応の非常食、実際どうやって備えているの?」と気になる方も多いと思います。私自身や、周囲のかたたちが取り入れている工夫をいくつかご紹介します。
ローリングストックを意識
「備え=特別なこと」と思いがちですが、普段の生活の中で自然と取り入れることで、無理なく続けられます。
・賞味期限が長めの米粉パンやおかゆパックを多めにストック
・アレルギー対応のビスケットやゼリーを常備し、賞味期限が近いものから順番に消費
・定期的にストック棚を見直す「月1チェック日」を決めて家族で確認
外出時の「持ち歩き非常食」
災害は自宅だけでなく、外出先でも起こる可能性があります。特にこどもが小さいと、突然のトラブルに備えて、常にアレルギー対応の食品を携帯しているご家庭が多いです。
・小さめのリュックや車の中に、アレルギー対応のお菓子や飲料を常備
・非常時だけでなく、外食時や旅行先でも活用できて安心
・アレルギー用のゼリー飲料や、レトルトご飯、カロリーメイト風の栄養補助食品を持ち歩く
「実際に試す」ことを大切
どんなに良さそうな非常食でも、いざ食べてみたら「子どもが嫌がった」「アレルギーは大丈夫でも味が合わなかった」という声もあります。日ごろから試食することで、万が一のときも慌てずに済みます。
・月に1度「非常食お試しデー」を設定し、家族で試食
・子どもが気に入ったものを優先してストックする
・味だけでなく、パッケージの開けやすさや、食べやすさもチェック
会話と共有
●家族や親せきとも情報共有
実家や親せきに、こどものアレルギー内容と非常食の備えを伝えておくことで、いざという時に協力してもらいやすくなります。特に、離れて暮らしている場合は、メールやLINEで情報を共有しているご家庭も多いです。
●災害時のことを想定した「プチ防災会話」
こどもがある程度理解できる年齢なら、
「災害が起きたときはどうする?」
「何が食べられて、何が危ないのか」
と、普段から親子で話しておくことで、避難先でも落ち着いて行動しやすくなります。
購入できる場所と選ぶ時のチェックリスト
最近では、アレルギー対応非常食がネットや防災ショップで手軽に買えるようになりました。
おすすめの購入先は…
・防災専門通販サイト
・アレルギー対応食品の専門ショップ
・一部の大手スーパーやドラッグストア
購入時は以下のチェックリストを参考にしてください。
☑ アレルゲン表示がしっかりあるか
☑ 賞味期限は最低でも3年あるか
☑ 調理方法(お湯不要・そのまま食べられるもの)が選べるか
☑ 家族の人数・必要量を確認する
☑ 実際に子どもが食べられるか試しておく
まとめ
アレルギーのあるお子さんの非常食は、いざという時の安心につながります。
特別なことではなく、まずは…
・「食べ慣れているものを少し多めに買っておく」
・「試食してみる」
そんな小さな一歩から始めてみてください。