暑い夏がやってくると、親としては子どもの体調や安全が心配になりますよね。
特に、もしもの災害時、停電や断水、避難生活など「暑さ対策」ができないと、熱中症や体調不良のリスクがぐっと高まってしまいます。
小さなお子さんほど、体温調整が未熟で、暑さに弱いもの。
だからこそ、普段からできる工夫や、万が一に備えた防災グッズの準備がとても大切です。
この記事では、幼稚園・小学生の子どもがいるご家庭に向けて、夏の防災と暑さ対策について、具体的なアイテムを交えご紹介します。
なぜ夏の防災は「暑さ対策」が大切なの?

夏の災害というと、台風や大雨、ゲリラ豪雨、時には地震など、さまざまなリスクが考えられます。
その中でも、意外と見落としがちなのが「暑さへの備え」です。
特に、停電や断水が起きた時、想像以上に私たちの生活は不便になり、子どもたちの体調管理が難しくなります。
「暑さ対策」がなぜ大切なのかを、具体的にお伝えします。
停電でエアコンや扇風機が使えない
災害が起きると、電気が止まることも少なくありません。
普段、私たちはエアコンや扇風機、冷蔵庫のおかげで暑さをしのいでいますが、停電が続くとそれが使えなくなってしまいます。
室内の温度はあっという間に上がり、子どもや高齢者は熱中症になりやすくなります。
「家の中だから大丈夫」と思わず、停電時の暑さ対策はとても大切です。
避難所や車中泊は思った以上に暑い
災害時、避難所や車での待機を余儀なくされることもあります。
でも、実際に避難所に行った方の話を聞くと「人が多くて蒸し暑い」「窓を開けられず空気がこもる」といった声が多くあります。
また、車中泊は、日差しを受けた車内がサウナ状態になり、子どもがぐったりしてしまうケースも…。
どんな場所でも、暑さから子どもを守る工夫が必要です。
子どもは大人より暑さに弱い
小さなお子さんは、まだ体温調節機能がしっかりと整っていません。
そのため、大人よりも暑さに敏感で、すぐに体調を崩してしまうことも。
・ 汗をかきにくい
・ のどの渇きを感じにくい
・ 体温が上がりやすい
こんな特徴があるため、周りの大人がこまめに気を配り、水分補給や休憩、暑さ対策をしてあげることがとても大切なんです。
暑さ対策は「命を守る」備え
熱中症や脱水症状は、命に関わることもあります。
特に災害時は、病院も混雑したり、すぐに診てもらえなかったりする状況が考えられます。
だからこそ、「暑さ対策=命を守る防災」と考えて、事前にできる準備をしておくことが、家族みんなの安心につながります。
単に食料や水だけでなく、暑さから子どもや家族を守るための準備がとても重要です。
「普段の生活で使える暑さ対策グッズ」を取り入れながら、もしもの時にも落ち着いて行動できるよう、少しずつ備えていきましょう。
最低限そろえておきたい暑さ対策グッズ

災害時、特に夏の暑さから子どもや家族を守るために、普段からそろえておきたい暑さ対策グッズを、家庭用と非常持ち出し用に分けてご紹介します。
【家庭用】備えておきたい暑さ対策グッズ
✅ 保冷剤・氷のう
冷凍庫で凍らせておくだけで、発熱時や暑さ対策に大活躍。首元やわきの下を冷やすと、効率よく体温を下げられます。
✅ 冷感タオル・冷感スカーフ
水に濡らして使うタイプや、ひんやり素材のものが便利です。普段のお出かけにも役立ちます。
✅ 扇風機(充電式・乾電池式)
停電時にも使える、コードレスの小型扇風機が安心です。子どもでも持ちやすいサイズを選びましょう。
✅ 遮光・断熱シート・カーテン
窓からの日差しを遮るだけで、室温の上昇をかなり抑えられます。災害時だけでなく、日常の節電対策にも◎
✅ 経口補水液・スポーツドリンク・水
汗で失われた水分や塩分を、効率よく補える飲み物は必須。多めにストックしておきましょう。
✅ 塩分タブレットや飴
子どもが好んで食べやすいタイプがおすすめ。熱中症対策として、ちょっとした外出時にも便利です。
✅ 冷感スプレー・ミスト類
衣類や身体に直接使えるタイプを選ぶと、素早く涼しさを感じられます。
【非常持用】備えておきたい暑さ対策グッズ
災害時、避難所や車中泊、自宅から離れる場合に備えて、次のような暑さ対策アイテムを持ち出し袋に入れておきましょう。
✅ 折りたたみ式うちわ・小型扇風機
かさばらず、すぐに涼がとれる便利アイテムです。
✅ 冷感タオル・冷感スカーフ(予備)
万が一の際、衛生面や気温対策として重宝します。
✅ 飲みきりサイズの経口補水液・水
避難時は荷物を最小限にしたいので、すぐに飲めるサイズが便利。
✅ 保冷シート・断熱アルミシート
敷物や目隠し、熱中症対策としても使えます。
✅ 子ども用帽子・UVカットアイテム
外での避難生活を想定し、紫外線や直射日光から守る工夫を。
✅ 虫よけスプレー・かゆみ止め
夏の避難生活では虫刺されのトラブルも多いので、忘れずに。
暑さ対策グッズは、特別なものだけでなく、普段の生活で使い慣れているものを非常時にも活用できるよう意識するのがポイントです。
暑さ対策の工夫【幼稚園・小学生】

子どもは大人よりも体温調節が苦手で、熱中症や脱水症状にかかりやすいものです。
特に災害時や暑い季節の避難生活では、普段以上に気を配ってあげたいですよね。
ここでは、幼稚園児と小学生、それぞれの成長段階に合わせた、暑さ対策の工夫をご紹介します。
幼稚園児の暑さ対策|小さな体を守る工夫
幼い子は、暑い・苦しいと自分から伝えにくいことも多いです。
保護者がこまめに気を配り、声がけや工夫をしてあげましょう。
✅ こまめな水分補給を習慣に
・「のどが渇く前に飲む」を意識しましょう。
・ストロー付きボトルや、子どもが自分で持てる軽い水筒が便利です。
✅ 冷感タオルや保冷剤を活用
・首やわきの下、足の付け根を冷やすと体温が下がりやすいです。
・直接肌に当てるのが苦手な子には、冷感素材の帽子やスカーフもおすすめ。
✅ 帽子やUVカットウェアの着用
・つばが広く、風通しの良い帽子で直射日光を避けましょう。
・暑さと同時に紫外線対策も忘れずに。
✅ 遊びや移動はできるだけ日陰で
・避難所や外出時も、日陰や風通しの良い場所を選んで過ごしましょう。
✅ 体調チェックをこまめに
・顔色や汗のかき方、元気があるかを普段より意識して見守りましょう。
小学生の暑さ対策|自分でもできる工夫を教える
小学生になると、自分でできることが増えてきます。
防災や暑さ対策も、親任せにせず「自分の体は自分で守る意識」を少しずつ育てていきましょう。
✅ 水筒やペットボトルは必ず持たせる
・500ml前後のボトルを持ち歩く習慣をつけましょう。
・スポーツドリンクや経口補水液を混ぜておくと安心です。
✅ 冷感タオル・汗拭きシートを持たせる
・汗を拭いたり、首元を冷やしたり、自分でできる工夫を教えておきましょう。
✅ 「暑さを感じたら無理しない」を伝える
・体育や移動時、体調が悪いと感じたら、無理せず先生や大人に言うように伝えましょう。
✅ 簡単な暑さ対策グッズを常備
・小型の携帯扇風機や、冷感スプレー、帽子などをリュックに入れておくと安心です。
✅ 避難先や家の暑さ対策も一緒に考える
・「ここは暑いからこうしようね」と親子で話し合い、実践することで、いざという時も落ち着いて行動できます。
幼稚園児は、親がしっかり守ってあげることが基本。
小学生は、自分でできる工夫や意識づけを少しずつ教えていきましょう。
避難所・車中泊・在宅避難での悩みと対策

災害が起きたとき、私たちは避難所や車中泊、自宅にとどまっての在宅避難という選択を迫られることがあります。
どの場所にいても、夏場は「暑さとの戦い」がつきものです。
特に小さな子どもや高齢の家族がいると、暑さは健康に大きな影響を与えます。
ここでは、避難先ごとに起こりやすい「暑さの悩み」と、できる対策を具体的にまとめました。
避難所での暑さの悩みと対策
悩みポイント
・人が多く、空気がこもりやすい
・エアコンや扇風機が十分に使えない場合も
・プライバシー確保のための仕切りで、さらに空気がこもることも
できる対策
・冷感タオルや濡れタオルを活用
→ 首や脇を冷やすだけで体感温度が下がります。
・うちわや携帯扇風機を持参
→ 風を送るだけでも、かなり楽になります。
・経口補水液や塩分補給
→ 汗をかいて失われる水分と塩分を、こまめに補いましょう。
・遮熱・断熱シートの活用
→ 窓際や床に敷くことで、熱を軽減できます。
※避難所は物資が限られるため、事前に持参できる工夫がとても大切です。
車中泊での暑さの悩みと対策
悩みポイント
・車内は驚くほど高温になりやすい
・夜でも熱がこもり、寝苦しい
・小さな子やペットがいる場合は特に危険
できる対策
・サンシェードや断熱マットを装着
→ 窓からの直射日光を遮り、室温上昇を防ぎます。
・車内用の小型扇風機や冷感グッズ
→ 乾電池やUSB式のファンが便利です。
・車のドアを少し開けて換気(防犯に注意)
→ 暑さ対策と同時に、安全面も意識しましょう。
・こまめに車外で涼をとる
→ 木陰や風通しの良い場所で、外の空気を吸わせてあげましょう。
・氷や保冷剤をクーラーボックスに常備
→ 簡単に首や脇を冷やせますし、飲み物の冷却にも使えます。
在宅避難での暑さの悩みと対策
悩みポイント
・停電でエアコンや扇風機が使えない
・断水で水浴びなどができない場合も
・マンションの高層階は熱がこもりやすい
できる対策
・窓を開けて風通しを良くする工夫
→ 網戸や防犯ロックを活用して、安全に換気を。
・遮光カーテンやアルミシートで日差しを遮断
→ 日中の室温上昇を抑えられます。
・保冷剤や冷感グッズをすぐ使える場所に
→ 冷凍庫に余裕があれば、保冷剤を多めに凍らせておきましょう。
・水分・塩分補給は常に意識
→ 飲みやすい経口補水液やスポーツドリンクを備蓄しておくと安心です。
・お風呂の残り湯の活用
→ 停電・断水時、身体を冷やしたり足を冷やしたりするのに役立ちます。
災害時は「どこで過ごすことになるのか」が読めません。
それぞれの状況に合わせた暑さ対策を、今から少しずつ準備しておくことで、いざという時の安心感が大きく変わります。
特に小さな子どもや高齢の家族がいるご家庭は、負担を減らせるよう、無理のない範囲で工夫を取り入れていきましょう。
まとめ
子どもの命を守るための「暑さ対策」は、夏の防災の大切なポイントです。
でも、特別なことをいきなり全部やろうとしなくても大丈夫。
✅ 普段のお出かけに使えるグッズを防災目線で見直す
✅ 家族で避難所や在宅避難のイメージを共有する
✅ 少しずつ、できることから備えを始める
そんなやさしい防災を、ぜひご家庭に取り入れてみてくださいね。
私も、無理なく続けられる工夫で、家族を守る準備をしています。